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ホテル業界におけるNPSの活用法とは?基準となるスコアと改善のヒントを徹底解説

  • TrustYou Japan
  • 7月8日
  • 読了時間: 5分
ホテル業界におけるNPSの活用法とは?基準となるスコアと改善のヒントを徹底解説

顧客体験がビジネスの成果に直結する時代において、「NPS(ネット・プロモーター・スコア)」はホテル業界でも注目の指標となっています。宿泊後のゲストが「どれほどそのホテルを他人におすすめするか?」という問いに対する回答からスコアを算出するNPSは、リピーター獲得やブランディングにおいて非常に重要です。


本記事では、NPSの基本から業界平均、日本市場特有の傾向、そしてTrustYouの実データをもとにした活用方法までをわかりやすくご紹介します。


なぜホテルにとってNPSが重要なのか

NPSは、0〜10点で評価された「推奨度」のアンケート結果から、推奨者(9–10点)と批判者(0–6点)の割合をもとにスコアを算出する指標です。ホテルがプロモーター(推奨者)を増やし、デトラクター(批判者)を減らすことで、満足度とロイヤルティを高め、口コミによる拡散が期待できます。


NPSは単なる数値ではなく、レビューから得られる実用的なインサイトが鍵です。計算式はシンプルですが、その背景には「感情」や「体験」に対する顧客の本音が詰まっています。顧客のニーズや改善点を把握し、体験向上のための意思決定に活用していくのがポイントです。

NPSを定期的にチェックすることにより、顧客ロイヤルティの標準的な測定が可能になり、長期的なパフォーマンスのベンチマークや戦略改善にも役立ちます。


宿泊施設においてNPSが注目されている理由:

1. リピーターや直接予約の増加につながるため

NPSが高い=ゲストの満足度・信頼度が高いことを意味します。満足したゲストは再訪率が高まりやすく、さらにホテル公式サイトなどを通じたダイレクトブッキング(直接予約)を促進できます。中長期的に見ると、OTAへの手数料依存を減らし、利益率向上に貢献します。


2. SNSや口コミへの波及効果があるため

NPSの調査項目は「あなたはこのホテルを知人や同僚にどれくらいおすすめしますか?」という質問が基本です。つまり、NPSスコアの高さは自然発生的なクチコミやSNSでの推奨行動につながりやすく、マーケティングコストをかけずに集客につなげられる効果が期待されます。


3. 全社的なサービス改善の指標として使えるため

NPSの数値は単なる評価にとどまらず、部門ごとの課題や施設ごとの差分を可視化するツールとしても有効です。ゲストの声を定量化することで、経営層から現場スタッフまで同じ指標をもとに改善活動に取り組むことができ、サービスの標準化・品質向上にも寄与します。


業界平均から見る「良いNPS」とは?

推奨者(9–10点)と批判者(0–6点)

NPSのスコアは業界や国によって異なるため、数値をどう捉えるかが重要です。


カスタマー・エクスペリエンス(CX)やNPS評価を含む調査・分析を専門とするPerceptive社ホテルの平均NPSは5〜15ポイントと発表しており、最低でも5以上をキープすることを推奨しています。

また、ホテル向けにITツールを提供するHelloShift社によると0以上を目安としつつも、良いホテルは30〜70ポイントを推移していると公開しています。


一方で日本市場では全く異なる数値が発表されています。

NTTコムオンラインの調査によると調査対象となった12のホテルの平均NPSは-8.6ポイントでした。


この差は、日本の顧客が「可もなく不可もない=7〜8点」を選びやすい文化的傾向があるためと考えられます。NPSではこの中間層がスコアに影響を与えないため、日本企業は他国と同じ基準で評価する際に注意が必要です。


なお、TrustYouのアンケート機能(TrustYou Survey)を使っている宿泊施設のデータを調査したところ、NPSスコアは10〜30ポイント前後を推移している施設が多くみられました。これは日本市場としては高いNPSといえますが、自社が実施するアンケートにおいては、宿泊体験をポジティプに感じたお客さまからの回答が多くなる傾向があることを留意する必要があります。


NPSをスコアで終わらせない。改善に活かすポイント

NPSにおいて重要なのは、NPSを“ゲストの声の入り口”として活用し、その背後にある体験や感情を読み解いて、具体的なサービス改善につなげることです。スコアの上下に一喜一憂するのではなく、そこから得られるインサイトをどれだけ活かせるかが、NPSを導入する価値の本質です。


具体的には下記のような形でNPSを実践的に活用しましょう:


1. 部門別・施設別にブレイクダウンして課題を可視化

全体のスコアだけでなく、「どの施設が高評価なのか」「どの部門に課題が集中しているのか」といった形で、NPSを細分化して分析することが大切です。これにより、的確な改善アクションを各現場に落とし込むことが可能になります。


2. AIでコメントを自動分類し、傾向を把握

ゲストからの自由記述コメントをAIで自動的に分類・分析することで、「朝食」「清掃」「接客」など、評価の高い・低いポイントが一目で把握できます。これにより、どの要素がロイヤルティを高めているのか、あるいは足を引っ張っているのかが明確になります。


3. リピーターとの比較でブランドファンの育成状況を確認

プロモーターの中には、自社に何度も宿泊してくれる「ブランドファン」と呼べる存在がいます。NPSとリピート回数を照らし合わせることで、自社ブランドに対する愛着の強さや、ファン層の育成状況を可視化することができます。


日本における「正しいNPS活用」とは?

NPSは世界共通の評価基準ですが、日本ではその数値の読み方や意味合いに注意が必要です。「スコアが低い=悪い」ではなく、あくまでも現状把握をするための一つの指標、改善につなげるためのヒントとして捉えることをおすすめします。


TrustYouでは、ホテル・旅館様向けにTrustYou Surveyを活用してNPSを含むゲストアンケートの設計から分析までを支援しています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



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